業種:電子コミック配信アプリ運営|大規模サイト特有のインデックス問題を診断し、登録済みページ数を5.7倍に改善したSEO事例

数十万ページ規模のサイトで、狙ったページが検索エンジンに正しく認識されているでしょうか。
電子コミックを配信する大規模ECサイトを運営する企業様において、サイト内に大量の重複ページ・インデックス未登録ページが存在する状態からの技術的なSEO改善に取り組んでいます。約2ヶ月半の対応で、検索エンジンに登録済みのページ数は約5.7倍に増加。一部のページ種別ではクリック数が大きく伸びる一方、サイトの主力ページについては、まだ改善途上であることも合わせてお伝えします。
この事例の概要
| 業種 | 電子コミック配信アプリの運営会社(作品数・ページ数ともに大規模なECサイト) |
|---|---|
| 契約プラン | SEOコンサルティング(月10施策の改善提案)+スポット施策(4ヶ月に1回、25施策) |
| 支援開始時期 | 2025年10月〜 |
| 確認期間 | 施策前(6/15時点)と施策後(9/2時点)の比較 |
主なハイライト(確認期間内)
- インデックス登録済みページ数:39,006→222,870(約5.7倍)
- インデックス未登録ページ数(全体):728,205→637,958(約12%減)
- magazineページ(雑誌名別ページ)のクリック数:80→3,241(約40倍)
- authorページ(著者別ページ)のクリック数:204→1,318(約6.5倍)
取り組み前に抱えていた課題
数十万ページ規模のサイトを診断したところ、大規模ECサイト特有の技術的な課題が複数見つかりました。
1. 動的ページ中心の運用によるクロールバジェットの浪費
サイト内検索やパラメーター付きURLによって動的にページが生成される仕組みが中心となっており、SEOの観点では望ましい静的ページ中心の設計になっていませんでした。検索条件の組み合わせによって同じ内容のページが無数に生成され、Googleのクロールリソースが浪費される状態になっていました。
2. 大量のインデックス未登録・重複ページ
診断時点で、クロール済みだがインデックス未登録のページが46万件超、重複と判定されているページが3.6万件超、ソフト404(コンテンツがない、またはエラー相当なのに正常な200を返しているページ)が18,902件見つかりました。ページ数の規模が大きいサイトほど、こうした「ノイズ」がサイト全体の評価を薄める原因になります。
3. 内部リンク・パンくずの構造が評価を分散させている
個別作品ページから関連ページ(同じ著者の作品、同じジャンルの作品、掲載誌の作品など)への内部リンクが不足しており、ページ同士が孤立している状態でした。パンくずリストのアンカーテキストも「巻数のみ」「ジャンル名のみ」といった簡素な表記にとどまり、キーワードを含んだ文脈になっていませんでした。
なぜ大規模ECサイトほど「インデックスの健全化」が最優先課題になるのか
数十万ページ規模のサイトでは、コンテンツを追加する量よりも先に、「今あるページが検索エンジンに正しく認識されているか」を整えることが優先されます。重複ページやパラメーター違いの同一ページが大量に存在すると、クロールの予算(クロールバジェット)が無駄なページの巡回に費やされ、本来評価されるべき主要ページのクロール・インデックスが後回しになるためです。
そのため、大規模サイトのSEOでは「記事を増やす」前に、canonicalタグの適正化、不要ページのnoindex化、URLパラメーターの正規化といった、地味だが土台となる技術的施策から着手する必要があります。今回の支援も、まずこの土台整備を最優先に進めました。
canonicalタグ・URL正規化による重複解消
各巻ページへの自己参照canonical設定、404ページへの誤ったcanonical設定の修正、TOPページのパラメーター付きURLの正規化、サイト内検索結果ページのパラメーター順序制御など、重複ページを生む技術的な原因を一つずつ特定して修正しました。
ソフト404・不要ページの整理
18,902件あったソフト404ページについて、コンテンツの有無・移動先の有無に応じて「リダイレクト」「noindex設定」を仕分けるルールを設計。あわせて、サイト内検索によって無限に生成される動的ページについては、robots.txtでのクロール制限を設定しています。
内部リンク・パンくずの再設計
個別作品ページから、同じ著者・同じジャンル・同じ掲載誌の作品ページへの内部リンクを追加し、ジャンル・カテゴリページとランキングページの間の回遊も強化しました。パンくずリストのアンカーテキストも、巻数やジャンル名だけでなく検索キーワードを含む表記に改善しています。
検索数のあるカテゴリの新設、noindex解除
競合サイトとのカテゴリ差分を洗い出し、検索需要があるにもかかわらず自社サイトに存在しなかったカテゴリページを新設。また、機会損失につながっていた「ランキングページのnoindex設定」を解除し、インデックス対象に戻しました。
施策前後で確認できた変化
約2ヶ月半(6/15時点→9/2時点)の比較で、インデックス登録済みページ数は39,006件から222,870件へと約5.7倍に増加しました。あわせて、インデックス未登録ページ数(全体)も728,205件から637,958件へと減少しています。
ページ種別ごとのクリック数では、magazineページ(雑誌名別ページ)が80クリックから3,241クリックへと約40倍、authorページ(著者別ページ)が204クリックから1,318クリックへと約6.5倍に増加しました。publisherページ(出版社別ページ)、categoryページ(ジャンル別ページ)でも増加を確認しています。
一方で、正直にお伝えすると、サイトの主力である作品詳細ページのクリック数は、この期間では46,776件から39,358件へと減少しており、サイト全体のクリック数比較(5〜6月と7〜8月の比較)でも72,057件から66,174件へとマイナスとなっています。インデックスの健全化と一部ページ種別での成果は明確に確認できている一方、サイトの主力ページ・全体のクリック数の回復はまだこれからの段階です。
この事例から分かること
土台の診断・改善は、成果よりも先に「健全化の指標」に表れる
インデックス登録済みページ数や特定ページ種別のクリック数といった指標は、施策後2ヶ月半という短期間でも明確に動きます。全体のトラフィックが伸びる前に、まずこうした土台の指標で効果を確認しながら進めることができます
大規模サイトほど、優先順位をつけた技術診断が欠かせない
数十万ページ規模のサイトでは、闇雲にコンテンツを増やすのではなく、クロールバジェット・インデックス状況・内部リンク構造といった技術的な土台から優先順位をつけて着手することが、遠回りに見えて最短の改善ルートになります
おわりに
大規模な電子コミック配信サイトにおける、技術的なSEO改善の事例をご紹介しました。インデックスの健全化と一部ページ種別での成果は着実に積み上がっている一方、サイト全体の回復はまだ道半ばです。数十万ページ規模のサイトで「インデックスがうまく機能していない」「クロールバジェットが無駄に使われている気がする」とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。




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